概略：２年課程では、２年間かけて必要な科目を履修します。まず、１年目前期では、経済学の基礎を身に付けます。その上で、１年目後期では、さらに基礎を固める科目をとりつつ、発展的な科目を履修して行きます。その一方で、コンサルティング・プロジェクトの準備を始め、プロフェッショナル・トレニングを開始します。２年目前期では、発展的な科目や事例研究の科目を履修するとともに、ワークショップへの参加などを通じて、１年目で学んできたことを基に実際の政策問題を考えていくトレーニングを積んでいきます。また、この期間にコンサルティング・プロジェクトに積極的に取り組み、２年目前期が終わるまでにコンサルティング・ペーパーを完成させます。２年目後期は、政策大学院で学んできたことの総仕上げの期間です。事例研究やワークショップなどへの参加を通して、多様な政策問題を、多角的に分析するトレーニングを続ける一方、完成させたコンサルティング・ペーパーの抽象度を高めて、一般的な政策論としての議論を含むリサーチ・ペーパーの水準にまで高めていきます。

図表１：２年課程カリキュラムの流れ

・１年目前期：ミクロ経済分析、マクロ経済分析、計量経済分析、公共経済分析（各４単位）を必修とします。ただし、経済学部卒で必要な知識をすでに備えていると判断される学生については、基礎科目の履修を最大４単位まで免除されます。また、公共経済プログラムの講義に代えて、国際・行政コースで提供されている科目を履修することもできます。さらに、学生の希望と実力に応じて一橋大学大学院経済学研究科の「上級ミクロ経済学」、「上級マクロ経済学」、「上級計量経済学」の履修を認める場合もあります。公共経済プログラムで提供するミクロ経済分析、マクロ経済分析、計量経済分析では、理論的な厳密性を維持しつつも、抽象的なモデルだけではなく、講義の中で応用、実践を意識して公共政策に関わる具体的なケース（例：租税、社会保障の経済効果など）を積極的に挙げていきます。

・１年目夏期：「コンサルティング・プロジェクト」担当教員とも相談の上、同プロジェクトで取り組むテーマ、対象機関の選択を行っていきます。

・１年目後期：指導教員の下でコンサルティング・プロジェクトの実施し、リサーチ・ペーパーの作成していきます。また、必修科目の公共経済の実証分析（各４単位）を履修するとともに、コア科目、応用科目、事例研究の中から６単位以上を履修します。この時期に公共経済学の理論、実証への理解と２年目に行う「コンサルティング・プロジェクト」を進める上で必要な知識、データ解析、分析能力を身につけます。

・２年目前期：コア、応用科目、事例研究の中から学生の研究テーマや進路希望に沿った講義を履修します。公共政策の実際や最新の研究成果を幅広く知ってもらうために適宜実務家や研究者を招聘する公共政策ワークショップは必修科目です。コンサルティング・プロジェクトを仕上げ、その報告セミナーを夏期中に開催します。同セミナーには２年次の学生や教員だけではなく、２年課程１年目の学生の参加も促します。なお、就職活動、公務員試験等で選択科目の必要単位数を満たさない学生、あるいは学生の希望に応じて社会人一年課程で提供する夏期集中講義の履修も認めるものとします。

・２年目後期：コンサルティング・プロジェクトを踏まえ、リサーチ・ペーパーとして研究の成果をまとめます。リサーチ・セミナー（２単位）は必修で、そこでの報告とリサーチ・ペーパーの提出を単位の取得要件となります。また、公共政策ワークショップ I に引き続き、公共政策ワークショップ II も必修とします。

　* は横断科目です。