地方財政論-講義概要

時間:冬学期金曜1限
単位:2単位

[ 授業概要 (Course Overview) ]

我が国で地方分権を巡る議論が盛んになってきている。本講義の目的は我が国の地方分権を巡る議論を経済学の視点から考察していくことにある。具体的には地方財政制度と地方分権の流れを概観した上で、地方財政理論を導入、特に政府間競争と政府間財政移転の規範的・事実解明的分析について説明を行う。理論に留まらず、我が国の財政データに基づく実証研究も紹介する。この講義を通じて地方分権という現実社会の変化を経済学的に理解し、評価できる人材の育成をはかる。
 
[ 学部・学年の指定 (Who Should Attend) ] 
※履修ルール上の指定内容については必ずルールブックおよびガイドブックの該当箇所を確認して下さい。
学年は問わない。ただし、ミクロ経済学の知識があることが望ましい。
 
[ 授業の目的・到達目標と方法 (Goals & Methodology) ] 
経済の理論と実証のツールを用いて地方財政の現状を理解・評価するほか、国と地方の役割分担・財政移転を含めてあるべき地方分権改革について分析能力を身につけてもらう。講義では日本の地方財政の現状や分権改革の動向(政治経済)を概観した上で、国と地方の役割分担、財政移転制度、地方の支出・税に関する理論を紹介する。抽象論に留まらず、現実の問題と関連付けていく。
 
[ 授業の内容・計画 (Topics / Schedule) ] 
我が国の地方財政の現状と地方分権改革
財政の機能配分・地方分権の理論
地方分権と政府間競争:「足による投票」など
地方分権のマクロ経済効果
地方分権のコスト:財政的外部効果、租税競争など
政府間補助金の規範分析と実態
地方財政の破綻と財政健全化
我が国のある「べき」地方分権について
 
[ テキスト・参考文献 (Textbooks / References) ] 
佐藤主光 「地方財政論入門」(新世社) 
 
このほか、毎回講義ノートを配布する
 
[ 質問等の連絡先・オフィスアワー (Contact Information / Office Hours) ]
satom@econ.hit-u.ac.jp
に予め連絡の上、アポをとること
 
[ 他の授業科目との関連・教育課程の中での位置付け (Relation with other Courses) ]
財政学を履修していることが望ましい
 
[ 成績評価の方法 (Requirements & Grading Allocation) ] 
宿題1回、レポート1回(各最終成績の20%)、期末試験(同60%)による。
レポート・宿題は11月と12月に課題を与える。締め切りは12月と1月の講義の日。
 
[ 成績評価基準の内容 (Grading Criteria) ] 
相対評価による
「平均点」の70%以下は不可(例:平均が70点ならば49点以下がF)
 
[ 受講生に対するメッセージ (Message to Students) ] 
地方行財政の現状・課題に対して問題意識をもって講義に臨んでください。
単位だけほしいという学生向きではありません。
 
[ その他 (Additional Information) ] 
講義ノートは各自HPからダウンロードすること