インターンシップ
インターンシップ

No1.沖 恵梨(平成22年度卒業)

霞ヶ関インターンシップ体験記

一橋大学国際・公共政策大学院 公共経済プログラム1年課程
沖 恵梨

配属先:総務省自治財政局 公営企業課
実習期間:2009年9月14日(月)から18日(金)、計5日間
インターンシップ課題:総務-1 『地方自治制度の企画・立案に就いて』

1. 志望動機

私は総合商社の財務畑で欧州民活プロジェクト入札案件を財務面からサポートした経験が有り、官製市場に於ける行政の適切な政策設計が、民間事業者の参入障壁を下げ応札するインセンティブを促した結果、Value for Moneyに寄与する投資判断を行い、自国の政策目標に達した事例を拝見して参りました。 今後、国や地方自治体の行財政改革推進の為の官から民へのリスク移転に携わり度く、本インターンを通じて民間発想のリスク認識や効率性を追及する考え方を基に、公共部門で自身が活かせる能力を把握すべく応募致しました。 又、中央官庁実務家との交流を通じて、業務全体像と省庁の意思決定を認識し、実務に必要となる公共政策分析手法と官庁組織に対する理解を深め度いと思料致しました。

2. 所感

一週間の限られた時間の中で、濃密なプログラムをご作成頂き、快く受け入れて下さった公営企業課の皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。 精緻な政策をも全自治体で標準的に運用できる体制を構築すべく日々奮迅し調整される姿を拝見し、高い志をもつ皆様のマンパワーを体感させて頂くことが出来ました。

配属された地方公営企業課の所掌となる、公営企業は料金収入に基づく独立採算が原則にて、民間企業と同様に発生主義・複式簿記です。 研修期間中、民間企業の商慣行からは違和感を感じる点(例えば、会計上の債務の資本化・補償金免除の繰上償還・再調達リスクへの備え等)も御座いましたが、対象事業は異なるも、民間のリスク認識と同一の点(第三セクター投融資保証ポジションのリスク管理手法や、国有林等の事業評価手法等)を認識することが出来、政策立案業務への転進を目指すに際して深めたい学習分野を明確にする事が出来ました。 同時に、効率性が重視される民間と異なり財政規律を緩めずに、垂直的・水平的な公平性を維持する制度設計を行うことの難しさや、執行側での混乱を招かずに精緻且つ運用し易い制度設計を作ることの難しさを認識することが出来たことも大きな収穫です。 又、公的資産・負債(簿外債務を含む)のフェアバリュー評価に基づく実質純資産査定は大きな課題と認識しますが、公営企業の企業会計原則適用に際してIFRSの取り扱い等海外比較に就いて、理事官から課題を頂戴し意見交換させて頂く等、自由闊達な組織体制に感銘を受けました。

研修期間中は、佐藤前総務大臣の退任、原口新総務大臣の着任と運良く政界再編の場面に立ち会うことが出来、訓示を拝聴させて頂く等、組織風土を体感する絶好の機会となりました。重ねて御礼申し上げます。

インターン研修日程表

14日(月)
9:30-11:00 人事院ガイダンス
11:00-12:00 来課・課内案内
13:00-13:30 省内・課内業務概要の説明・研修課題説明
15:00-16:00 交通・エネルギー事業の概要説明
16:30-17:30 下水道事業の概要説明
15日(火)
13:00-16:00 地方公営企業会計制度等研究会
17:00-18:00 林業公社資産評価基準打合せ
地方分権に関する基本問題調査研究会
16日(水)
10:00-11:00 下水道管理指導者との打合せ
13:00-14:30 病院事業の概要説明
14:30-18:00 公立病院経営改善事例等実務研究会
17日(木)
10:00-12:00 地方公営企業財務会計講習会
14:30-16:00 第三セクター改革研修会弁護士打合せ
18日(金)
10:00-12:00 へき地保険医療対策検討会
14:00-15:00 上水道事業の概要説明
16:00-17:00 地域開発事業等の概要説明
地方分権に関する基本問題調査研究会