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第3回:働き方改革を進めるには?労働経済白書から考える
 

参加者の声

 

  • 働き方改革に興味はありましたが、自分ではなかなか学べずにいました。だから今回、専門家の方から教えていただくことができ、とてもためになりました。(学部 1・2 年生)
  • 一年生にとって理解しにくい内容でした。(学部 1・2 年生)
  • 質疑応答が面白かったので、今後も時間を十分にとってもらえると嬉しいです。(学部 3・4 年生)
  • 賃金の上昇、非正規の減少などは、単なる「結果」に過ぎないのではと思った。根本的には労働者の質自体が低いからそういった「結果」が生じているのではないかなと思った。自分自身ももっと考えていきたい。(学部 3・4 年生)
  • 難しいデータをわかりやすく解説していただき面白かったです。(大学院生)
  • 現在の日本の抱える問題点を非常にわかりやすく説明してくださり、とても感謝しております。有意義な時間をありがとうございました。(教員)

◎ セミナーを終えて

 今回は、厚生労働省の方に、現在の日本における「働き方」の現状をデータに基づいて説明して頂いた上で、できるだけ望ましい働き方が実現するような取り組みについて話をして頂きました。実態の詳しい説明のために、たくさんのデータや情報が用いられましたので、労働の問題や用語に馴染みがないと、少し理解が難しかったかもしれませんね。今後、本セミナーのタイトルにありますように、「18歳」の皆さんにも理解してもらえるように、主催者として工夫を重ねていきたいと思います。
 労働の問題は、消費者に喜んでもらえるように「安くて良いもの」を提供したいと考える生産者が、労働者をできるだけ安く雇用したいとするため、悪い条件で働かなければならない労働者(=消費者)が出てくるという二律背反的な構造を持っています。さらに、グローバル化が高度に進み、海外の労働者労働の賃金が国内の労働者の賃金に影響を与えたり、生産者への重い課税が国内での雇用の空洞化を招くといった構造もあります。労働の問題は、誰にとっても身近な問題なのですが、このように複雑な構造を持っているため、簡単には解決できない労働問題がたくさん生まれます。問題を改善・解決するためには、さまざまな要因のバランスを上手にとる必要が出てきます。
 難しい問題をかかえる労働問題ですが、消費者も生産者(資本所有者)も労働者も全員幸せになれそうなのが、労働者のスキル向上による生産性の向上です。それによって、非正規労働者を減らしたり、賃金を引き上げたり、長時間労働を減らしたりすることができそうです。逆に、大学を卒業する時に、例えばエクセルを使いこなすスキルが身についていないと、長時間働かなければ仕事が終わらない、生産性が低いので賃金が低い、場合によっては非正規労働者としてしか雇用されない ... といった問題が出てきます。つまり、労働者のスキルの低さが、現在の労働問題の大きな要因となっている可能性があるということですね。
 パソコンや IT を使いこなす力、外国語でのコミュケーション力、人を動かす力、やり遂げる力など、グローバル経済で労働者に求められるスキルを、大学生の皆さんは身につけていますか?(参考資料)今回のセミナーでも、日本の労働生産性の低さがデータとして示されましたが、社会で必要とされるスキルを日本の文系大学の学生も卒業前に身につける必要があると、あらためて感じました。そのためにも、大学生の皆さんには、社会や仕事のことについてもっともっと知って欲しいと思います。今回の話は、少し難しかったかもしれませんが、わからなかったことを自分で調べてみたり、大学の講義などで勉強してみて欲しいと思います。このセミナーが、学生の皆さんの知識の蓄積のみならず、大学での学びの動機付けにもつながればと期待しています!(山重)

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