卒業生の近況

NO.13:桑折恭平さん(公共法政、2014年修了 )

kuwaori_pic4.jpg 先生や社会人学生から現場運用の重要性を学び、より柔軟な思考ができるようになりました

 一橋大学社会学部卒業後、IPPに進学しました。中央省庁への就職を希望していたこともあり、実務家教員を含む教授陣による少人数で密な指導を受けながら試験勉強をすることができる環境に魅力を感じたことが大きな理由です。
 IPPでは、教授陣による指導や社会人学生との議論を通じ、「制度の立案に当たっては、現時点だけを切り取って論じるのではなく、それがつくられた歴史的経緯の分析や国際比較を行うこと」、「理屈倒れにならないよう、制度は現場で運用されることを含めて検討すること」といった、現在の総務省での業務にもつながる基本的な思考の枠組みを得ることができました。 IPPではプログラムごとに共同の研究室が与えられますが、そこで公取委や県庁から派遣されていた社会人学生から行政の現場について教えてもらったり、一緒に制度に関する議論をしたりしたことが非常に良い刺激となり、リアリティをもった学び、主体的な学びにつながったと思います。また、そうした経験を通じて、机上の学びと現実が繋がるような実感が得られたとともに、自分の考え方が相対化され、より柔軟な思考ができるようにもなったと思います。
 修士論文作成過程のプレゼン(公共法政ワークショップ)では、論理構成の甘さについて教授陣や学生仲間から時に厳しい指摘を受けましたが、それに回答するためデータを基に論理を詰めていく作業は非常に重要な思考のトレーニングになりました。一方で、論理が行き詰ったときの不安やストレスはなかなかつらいものがあり、それを乗り越える過程で、精神的にも強くなれたような気がします。そういった意味で、IPPには精神面を鍛える道場的な側面もあると感じました。
他にも、実務家教員による地方行政論や政策事例研究、外部講師による政策法務研究などで学んだ内容はそのまま実務に活きており、総じてこの2年間で得られた収穫は大きかったと実感しています。
(総務省消防庁勤務)

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